遠距離、恋愛。-二人の距離-
新幹線に乗り込み、指定席に座ると窓の向こうから俺に手を振ってくれて。

禁煙車の窓際。

声は聞こえないけど、「またね」と手を振っている、愛おしい彼女。

「気を付けて」

俺も、同じように手を振り返した。

2時間ちょっと。

トモが家へ着くまでの時間。

俺が、トモに会いに行く時間。

帰宅したらきっと一番にパソコンを立ち上げるんだろうな。

その時、俺が一番に彼女を見つけたい。

だから、俺も帰宅したらパソコンを立ち上げよう。

こんな気持ちは久しぶりだけど、悪くない。

彼女の乗った新幹線が動きだし、あっという間に見えなくなってしまった。

しばらくホームで見送り、自宅マンションへ。

一人で歩く道が、こんなに寂しいなんて。

空を見上げると、きれいな月が輝いていて。

明日も天気よさそうかな。

トモの住んでいるところと、つながっているんだ。

そう思うと足取りも軽くなった。
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