遠距離、恋愛。-二人の距離-
突然私の名前を呼ばれて大野さんを見ると、今にも大きな声で笑いだしそうなくらい肩を震わせていて。


「こいつね、ずっとトモちゃんに片思いしていたんだよ」

「はい?」


思いもよらぬ、大野さんの言葉に、隣に座っているコウタの顔を見る。

私から視線をそらし、ウーロン茶を飲んでいるコウタの顔は赤くて。

そんなコウタを見たら、私まで顔が赤くなってしまった。

なんか、すごく恥ずかしいんですけど。


「いつもさ、週末トモちゃんに会った翌日は仕事中もずーっと君の話ばかりで」


先週オフ会で皆で会った翌日・・・つまり今週も月曜日はずっと私の話をしていたというコウタ。

会社の人に、私のこと話していたんだ。

ねえ、どんなことを話していたの?


「だから、噂のトモちゃんに会えてよかったよ」

「どうして大野さんが言っちゃうんですか!俺まだトモに自分の気持ち伝えたことないのに」


あわてるコウタを見て、肩を揺らして笑っている大野さん。

大野さん・・・。それって本当のこと?

なんだか調子のいい大野さんにからかわれているのか、真実なのか。

自分ではよくわからなくてコウタを見るけど、コウタは本気であせっているように見える。

…自惚れ、じゃないよね?
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