遠距離、恋愛。-二人の距離-
赤信号で止まった時に、コウタにこつん、と頭を叩かれた。


「いったーい」

「あはは」


15分ほど車を走らせると、何度も来た事のあるコウタの家。

先週も来たけど、ほかに誰もいない、私とコウタだけっていうのは初めて。


「おじゃましまーす」

「どうぞ」


いつものように普通を装いつつも、実は心臓はかなりのハイスピード。

心臓の音がコウタに聞こえるんじゃないかってほど緊張していて。


家に上がるのは初めてじゃないのに、自分でも笑えるほどで、気を付けないと右足と右手が同時にでちゃうんじゃないかってくらい。


「適当に座ってて。ビールでいい?」


食事の時も運転手だからとお酒を飲まなかったコウタは、ついてすぐに冷蔵庫を開けて缶ビールを2本もってきた。
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