遠距離、恋愛。-二人の距離-
こうしてコウタの体温を感じながら過ごしたこの週末から現実に戻る瞬間。

まだ明日一日あるというのに、なんだかすごくさみしい。

そのままお風呂でお互いの体温をたくさん感じて。

のぼせ気味になりながらも上がった時に初めてお腹が鳴るほど空腹なのに気がついた。

コンビニで買いこんだつまみなどをお皿に並べ、二人で缶ビールで乾杯をする。

これが美味しいとか、これは美味しくないとか。

昨日、新幹線に乗る前に買った、地元の名物も出して二人で食べたりして。

しばらくして、コウタが部屋からノートパソコンを持ってきた。


「誰かいるかな?」


パソコンを立ち上げてチャットを起動する。

カメラもセットしてきちんと映っているかを確認していたコウタ。


「トモ、おいで」


ソファを背もたれにして床に座っていたコウタが、手招きをして、自分の足の間をぽんぽん、と叩いている。

呼ばれるままにコウタの所へ行き、すとん、と素直に腰をおろした。
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