遠距離、恋愛。-二人の距離-
初めてコウタの家に足を踏み入れた日のことをよく覚えていないんだけど。

今から考えてみると、そのころからコウタをバーチャルな友人から一人の男性として意識をし始めていたのかもしれない。


「KOTA-、飲みものないよー」

「コンビニすぐそこだから勝手に買ってこい」

「えー、KOTA買ってきてよ、俺ら客ー」

「ああ?」


結局、皆でじゃんけんして負けたのは私とコウタで。

二人で近所のコンビニへ買い出しに行った。

「トモってトモコとかトモミとか?」

「おお、あたり」

「は?どっち?トモミ?」

「いや、トモコ。野々山トモコ」


「はは、まんまじゃん」

「じゃあKOTAは?コウタ?あ、コタロウ!」

「うは、なんだコタロウ。それもいいな」
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