遠距離、恋愛。-二人の距離-
「うまい」

「だろ?」

俺が握ったんだから当たり前!なんて胸を張るヒサシに感謝しつつ。

今日、仕事をしながら疑問に思ったことを教えてもらい、明日に向けて寝ることにした。


体力はある方だと思っていたけど、接客がここまで大変だとは思わなかった。

ヒサシいわく、精神的に頑張りすぎる俺は、もう少し肩の力を抜かないとだめらしくて。

そう言われても何をどうしたらいいのかわからず、今日もお客さんの相手をしていた。


『これはなんて名前の食べ物?』

朝食で、仲居さんとお客さんの通訳をしながらお茶を汲んだりして。

『おいしいわね』

皆の笑顔を見ていると、ああ、いいななんて。

一通り仕事を終え、チェックアウトのお客さんを送り出して。

部屋の片づけをいていたら、今夜はお客さんが少ないからと午後からお休みをくれるという。

「初日からがんばっていたから、一度のんびりしてくるといいよ」

ヒサシも一緒に休みをもらったらしく、俺と一緒に観光してくれることに。

うれしくて、持ってきた観光ガイドをチェックしつつ、いくつか見たい場所をピックアップして。

実家から借りてくれた軽に乗り込み、ヒサシの運転で順番に見て回ることができた。
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