泣き虫の恋
それから、式の間、ずっと兄は私についてくれていた。

火葬場につき、最後のカレとのお別れ。
ロビーのようなとこで、カレの火葬の終わるのを待っていると、カレの両親が私を呼んだ。

兄に付き添われフラフラと近づくと、ご両親は小さな箱を取り出した。

「あの子、恥ずかしくて渡せなかったみたい。あの子の使ってた鞄に入ってたの。‥優衣ちゃん、貰ってあげて?」

手渡された箱の中には2つの指輪。エンゲージリングのつもりだったのかもしれない。

プレゼント一つ照れて渡せないカレだったから、何度も渡そうとしてできずに鞄にしまう姿が思い浮かぶ。

「ありがとうございます」
そう言い、優衣は頭をさげた。
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