危険な彼女
俺がそう言うと、桜は飲み終わったであろう紅茶の紙パックを、グシャ!、と握りつぶした。



思わず背筋が凍る。





「あのねぇ…

口の聞き方には気をつけなさい、ポチ。


私は家まで来い、とは一言も言ってないわよ」





そう言って紙パックをゴミ箱に向かって投げ捨てた。



一切後ろを見ていないというのに、紙パックは綺麗な放物線を描き、見事、ゴミ箱に入った。




ほんとにこいつは球技かなんかやったらどうなんだろうか?





「じゃあ…迎えに来てって…

どこに行けばいいんだよ?」




「そうねぇ…

駅前のコンビニでいいわ」




「駅前のコンビニぃ?

何でまたそんなところに…」




「学校から1〜2km。

歩くにはちょうどいい距離じゃない」
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