危険な彼女
………ん?


今、誰かいたっけ?

いや、いないいない。



あ、昼休みもそろそろ終わるな。



さあ、帰ろう。

急いで帰ろう。




ガシッ………




「逃げたらどうなるか………

わかってる?」




ニコリと微笑む桜の姿はあまりにも神々しく………


…あまりにも恐ろしかった。




「ん?

あ、耳が詰まって………」



「………パパに電話するわよ?」



「わー!!わー!!

それだけは何とぞご勘弁をー!!!」



「………あんたってほんと現金よね」




親父のクビがかかってるのだから、誰だってそうなる。



奈津は恨めしそうに、苦笑いのまま桜を見た。
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