危険な彼女
目の前に、見知らぬ女性が立っていた。



辺りをキョロキョロと見回し、何だか落ち着かない感じである。





「あの…
どうかなさいましたか?」




もちろん、美冬がそんな人を放っておくわけがない。



笑みを絶やさずに、優しく問いかけた。




「あ…いやぁ、道に迷っちゃってねぇ………」




女性はぺろっと舌を出し、少し頬を染めて言う。



どうやら迷子(?)のようだ。





…ますます放っておけない。



美冬はお節介かもしれない、と思いつつも、道案内をすることにした。




「よろしければご案内しましょうか?」



「え、いいの?


………じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわね」



「いえ、気にしないで下さい。

ところで…どこに行かれるんですか?」



「そうねぇ………

ひとまず職員室までお願いしようかしら?」
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