危険な彼女
「私はね、少し前まで海外を飛び回ってたの」



「海外………ですか?」



「そっ、ワールドツアーってね♪」




子供のような笑みを見せながら彩芽先生はピースした。



大人っぽいのだが、時々立ち振る舞いが子供のように見えてしまい、美冬は妙な違和感を覚えた。




「何でまた、海外になんか行ってたんですか?」



当たり前と言えば当たり前なのだが、そう聞くと彩芽先生は困ったように頬をポリポリとかいた。



何か悪いことを聞いてしまったのかと思ったが、さっきの楽しそうに言う姿からは、特に何かあるとは思えなかった。





「あの…柳先生?」



「うーん………

まあ、気にするほどじゃないけど………




………まっ、いっか♪」




そう言うと、彩芽先生は何かを決意したように、よし!、と両手の拳を握った。
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