危険な彼女
いったい何を聞かされるのかと、少し不安になりながら彩芽先生の言葉を待った。




「私ね………」




ゴクリと唾を飲み込む。


美冬は、たしかに最初は少し不安だったのだが、今となってはどんな内容の話が出てくるのか、内心わくわくし始めていた。





「放浪癖があるの」






「………はい?」




「昔から旅とか、冒険したりするのが好きでね。

気づいたら知らないところにいたりするの」




「……………」





美冬は固まった。




どんなヘビーな内容かと思っていれば、放浪癖。


笑いも涙も出てこない。




「あら?
やっぱり変かしら…?」



「いえ………

なんとゆうか………」





言葉にできない。



美冬は今日初めての体験をした。
< 239 / 491 >

この作品をシェア

pagetop