危険な彼女
コーヒーを口に含みながら、彩芽は、ふと思い出したように奈津に話題を振った。




「そういえば奈津………

あんた、彼女できた?」



「ぶっ!!!」




コーヒーの代わりとゆうことで飲んでいた牛乳を思わず吹き出した。



テレビではよく見るものの、実際にやられると汚い以外に例えるものがない。




――な、何てことを聞くんだこの馬鹿姉は………




「あーあ、美冬ちゃんの言うとおりいないみたいねぇ、残念残念」



「う、うるせぇ!!

大体まだ高一なんだからそんなに焦るほどのことじゃないんだよ!!」




最後の強がり、とばかりにもっともらしい理由を言う。



しかし、どんな言葉でもひっくり返せるのが姉の彩芽なのだ。




「私が高一のときは、もう三人は付き合ってたけどなあ………」




勝った、とばかりに彩芽は楽しそうにニッコリ笑った。



そんな彩芽を見ながら、奈津を拳を震わせるしかなかった。
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