危険な彼女
「大体ねぇ………

奈津、あんたは鈍すぎると思うわよ?」




さっき牛乳を吹き出したため、汚れた床を拭いている奈津を見下ろすようにして彩芽は言う。



足を組み、コーヒーを飲みながら言うもんだからまるで女王様と下僕である。




「鈍いって…何がだよ?」




「恋愛に関して、よ」




奈津はその言葉に首を傾げる。



鈍い、とゆうのだから運動に関してだと思ったら恋愛関係。



奈津からしてみれば意味不明であった。




「奈津は、亜紀ちゃんのこと、何とも思ってないわけ?」



「何ともって………

亜紀は幼なじみだよ。
ね…、柳先生も知ってるだろ?」




姉ちゃん、と言いかけて無理矢理方向を修正した。


ね、と言った時点で彩芽の眉が片方上がったからだ。
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