危険な彼女
胸に当てた手は………




いつもより、少し大きな鼓動を感じた。





「ちょっと………、バクバクしてる」




「………そう、ならいいわ。

奈津、目を開けていいわよ」




奈津はゆっくりと目を開けた。



そして、不思議そうに彩芽を見上げ、怪訝そうな眼差しを送った。




「奈津、大丈夫。

あんたは亜紀ちゃんを、ちゃんと女の子として意識してるわ」



「は………?

な、何でそんなことわかんだよ?」




奈津がそうたずねると、彩芽は母親のような眼差しでニッコリ笑った。




「恋愛感情ってのは不思議なものでね、その相手のことを考えるだけで心臓が勝手に反応しちゃうのよ」




え?、と一言つぶやき、奈津は慌てて胸に手を当てた。




――さっき感じた感じが………恋愛感情?




奈津は顔を真っ赤にしながら胸の鼓動を感じた。
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