危険な彼女
奈津はガクッと肩を落とし、ため息をついた。



降参、とゆうことである。




「よろしい。

奈津、頭なでてあげようかぁ?」




勝ち誇った笑みを浮かべ、それこそ楽しそうに彩芽は問いかけた。



子供をあやすように、なおかつ上から目線で。




「ん…、んなことされてたまるかっ!!!」




奈津は顔を真っ赤にしながら彩芽を睨んだ。



しかし、赤面した顔で言っても説得力がない。



むしろ、照れている純情な少年のようにしか見えない。




「あらぁ、照れちゃってぇ♪

あんたも女の子と付き合いだすことを考えたら、これくらい耐えられるようになりなさいよねぇ?」




奈津はそう言われ、逃げるようにして彩芽の部屋を出た。



奈津には彩芽のその微笑みが悪代官に見えたとか見えなかったとか。
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