危険な彼女
「はあ………」




奈津は部屋に戻るなり、深いため息をついた。



あの日、彩芽が奈津の高校で働くようになってから、彩芽は実家…、つまりは奈津の家に戻ってきていた。




何故、帰ってきてすぐに彩芽は自宅に連絡をよこさなかったのか?






………理由は明白。




奈津にとって、これほど簡単な問題はなかった。





………要するに、奈津の反応を楽しみたかったのである。





自分が突然帰ってきて、突然先生になって、突然奈津の前に現れたら…?




彩芽はそう思ったのだろう。




案の定、奈津の反応はおもしろいものであり、彩芽はかなり楽しんだに違いない。
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