危険な彼女
その後、奈津はそそくさと部屋の片づけを始めた。




理由としては、彩芽にとられないように、大事なものは隠しておこうとゆうことがあげられる。






………たとえ、その行為が無駄なあがきだとしても。





「えっと………

たしか、この辺に机の鍵が…」




パサッ…




「ん?」




机の鍵を探していると、何かが棚から落ちてきた。



奈津はそれを目で追い、落ちたところを拾い上げた。




「………うわ、懐かしいな、これ………」




奈津が拾い上げたのは写真だった。



小学校の運動会、転んで怪我した亜紀をおぶっているところだった。




「たしかゴール直前で豪快にこけたんだっけ…

あれは見事なこけっぷりだったなぁ………」




奈津は昔を懐かしむように遠くを見て、ニヤニヤと笑った。
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