危険な彼女
ピンポーン!




奈津は、インターホンの音にハッと顔を上げ、慌てて玄関に向かった。




考えてばかりでは始まらない。




そう言い聞かせ、無理矢理立ち上がったのだ。






「はい、どなたですか?」




そう言って、玄関を開けると、そこにはかわいらしい少女が一人で立っていた。



手には、少女が一人で持つにはあまりにも大きすぎるスイカがあった。





「お、おう…亜紀か。

どうかしたのか?」



「あ、えと…

親戚の方からスイカたくさんもらったからおすそわけにきたの」




そう言って亜紀は、少し力を入れながらスイカを持ち上げ、恥ずかしそうに照れ笑いをした。
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