危険な彼女
「さ、サンキュ…

ま、まあ…
お茶でも飲んでくか?」




奈津は、妙に緊張していた。



今まで意識していなかったのだから当たり前、と言えばそうなのだが、いつもこんなに心臓が落ち着かなかったのか、と不思議になってきた。




「う、うん…

あのね、い…一緒に勉強しようと思って、勉強道具も持ってきたんだけど………」



「勉強?

………い、一緒にか?」



「ご、ごめんね…

やっぱり迷惑だよね………」




一気にしゅん、としおらしくなる亜紀。



何だかいじめているような錯覚に陥り、ものすごく申し訳なくなってきた。




「迷惑じゃないって!

や、やろうぜ、二人で勉強!」




無理に作り笑いをする。



亜紀を不安にさせまいと、必死に取り繕うとしていた。
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