危険な彼女
そして、プレゼント選びが始まって早、一時間経過。




「あのさぁ………

早く決めてくれよ………」



「女の子にとって買い物ほど楽しいものはないのよ?

ま、あんたにはわかんないでしょうね」




そんな気持ちは一生わかんなくていい、と思った。



自分は男であって女ではない。



わーい買い物買い物〜☆



………ものすごく気持ち悪くなった。




「で、候補は?」



「これとこれとこれかな?」



そう言って桜が見せてきたのは黒い財布と茶色い鞄とおしゃれな帽子の三つだった。




「桜はどれがいいんだ?」


「まあ、私は………

…財布かな?」



「じゃ、それで決定」



「………?

そ、そんなあっさり決めないでよ………」




さらっと言った奈津の一言が以外だったのか、桜はきょとんとしている。


奈津はそんな桜を見ながら肩をすくめ、ため息をついた。
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