危険な彼女
「なら、つまんないとか普通とか言わないことね。

わかった?」



「り、了解です…」




上目線でものを言う美冬。



その眼差しはきつく、口答えでもしたら今にもとって食われかねなかった。



それを理解してか、奈津もひたすら縦に首を振った。







「なっちゃん、大丈夫?」




美冬が自分の席に戻ったのを確認すると、隣の席に座っていた亜紀が声をかけてきた。




「まあな…」




寿命が縮みかけた、とまでは言わない。



冗談を冗談と受け取らないのが亜紀なのだ。



言ってしまったら、本当に救急車を呼びかねない。
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