危険な彼女
〜桜side〜




桜は、LHRで文化祭の出し物について話し合われている中、一人だけ窓の外を眺めていた。




――退屈ね………




桜は基本、団体行動があまり得意じゃない。



むしろ苦手な部類に属する。




そのため、こういう話し合いは退屈以外の何物でもなかった。




「文化祭…か………」




――奈津のクラスは何をするのかしら…?




空を見ながら、奈津のことを考えた。



そして、すぐにため息をつく。




あの日、夏祭りの夜のこと。



亜紀に構い過ぎる奈津を見て、つい…かっとなってしまった。



そして、ぶたれる自分。



あんなに痛いと思ったのは初めてだった。




――私…何であんなこと言ったんだろ………




桜はさらに深いため息をついた。
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