危険な彼女
「………何やってるの?」




腰を下ろした奈津を見て、彩芽は怪訝な顔をした。



奈津は奈津で、彩芽の言葉の意味がわからずキョトンとしている。




「今日はあんたが料理当番じゃない。

早くご飯を作りなさい」



「なっ………!?」




奈津は唖然とした。



そして、同時に彩芽が何故今日、打ち上げを行ったかを理解する。




明日は彩芽の料理当番の日である。



となると、打ち上げで騒ぎたいが騒げない。




………しかし、今日開いてしまえば料理をするのは奈津になる。



なら、今日開こう。





――なんて身勝手なんだ………





奈津はガックリと肩を落とし、しぶしぶ台所へ向かう。



抗議したいとは思うが、しようとは思わない。



長年の習性である。



姉に逆らわないに越したことはないのだ。
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