危険な彼女
「そうよね、亜紀の言うとおりだわ。

こんなかわいい女の子達を前にして、ほめ言葉の一つも出ないなんて許し難いことだわ」



「美冬、お前…なんかキャラが変わってないか?」



「気のせいよ」




そうとは思えない奈津である。




「そういえば、あんた…あれ、渡した?」



「………あれ?」



「あんたねぇ………

あれは答えが出たときに渡すはずでしょ?」




そう言われ、奈津の頭の中に、美冬が言っているものが浮かんだ。




「………ああ、あれか。

一応、今ここに持ってきてるんだけど…」



「早いとこ渡しちゃいなさい。

長引くと渡しづらくなるのよ?」




こんな風に言われると、何だか姉に諭されてるような錯覚を覚えた。



美冬の言葉はおそらく正しくて、そうするのが良いのだろう。




奈津は持っていた袋から、小さな包みを取り出した。
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