危険な彼女
「桜、これ…」




ガサガサと包みを取り、桜にそれを渡す。



美冬曰く、奈津そっくりな犬の置物。



それを見て、桜はキョトンとした。




「なにこれ?」



「や…やる」



「今年、戌年だっけ?」



「いや、違うけどさ…」




奈津はぽりぽりと頬をかいた。



そして、桜にそれを掴ませ、顔を背けながら言う。




「こ、これからもよろしくってゆうか…

まあ、誓いってゆうか…」



「ああ、一生私の犬ってゆう…」



「んなわけあるかっ!!!」




奈津の叫びに、桜はクスクス笑った。



何となく意味はわかったらしいが、奈津をちゃかしたかったらしい。
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