危険な彼女
「な、なっちゃんッ!!」




教室を出ようとする俺を誰かが
呼び止めた。



―だからなっちゃんはやめろっての………




そう思いながら振り返ると、
かわいらしく包まれた弁当を
持った亜紀がいた。



もじもじしながら何かを言いかけてはうつむいている。


誰がどうみてもかわいいの
一言だろう………





が、俺にはそんな余裕はなくて…







「えっと…どうした?」




「あ、ああああのね………


今朝言ったこと………」





――今朝………?


あ、ああ………

何か話した気はするけど………


何だったっけ…?



あの時、寝起きだったしな………






「それで………お、お弁当……


ど…どうぞ………」




亜紀はそう言ってそのかわいらしい弁当を俺に差し出してきた。




「え………?


俺に…?」




コクリとうなずく亜紀………


その瞬間、俺はガッツポーズをがっしり決めた。
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