危険な彼女
桜が差し出してきたもの、
それは………





「べ、弁当…?」




「か、勘違いしないでよ?


一人分作るのも、二人分作るのも
さほど変わらなかったから
ついでに持ってきただけなんだからね?」





――変わると思うけど………





俺は桜がくれた弁当の包みを
ゆっくりと開けた。


すると………





「う………」




その中には、何やら真っ黒な物体や、変な色の物体………


まあ、お世辞にもおいしそうとは
言えないようなものばかりが
詰まっていた。


亜紀の弁当と見比べると、
まさに『美女と野獣』?





「桜………これ、何?」



「卵焼き」



「これは…?」



「野菜炒め」






――………嘘だ
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