お菓子のこころ《詩集》
やさしさ
迷い立ち止まるとき
いつも終わりを夢見る
すべての自由はそこにあるのだと
現実を見ずに錯覚する
けれどあのときあなたは
氷よりも冷たくなった私の手を
そっと優しく包んだのだ
点滅する赤信号
色を失う世界
抱きしめられたときのぬくもり
零れ落ちた涙を拭って小さく笑った
あのとき
あのときから
どんな孤独の中にあっても
絶えずやさしさは
降り注いでいたんだ