お菓子のこころ《詩集》
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確率で言えばうんたらかんたら
そんなになんとかの定理が立派なのか
アタシには理解できないし
理解したくもない
公式で埋まったノートをヤギにあげたくなる
シャーペンをへし折って窓の外に投げ捨てたくなる
でもアンタがズレたメガネを人差し指で直す仕草とか
困ったようにつくため息とか
理由はわかんないけど無性に好きで
だからこうして嫌いな数学を教えてくれって頼んだんだって
そんなの絶対言えなくて
それで結局中断できなくて
ああ
ああ
厄介だ
だってアタシは
この難問の答えを
既に知ってる
.