お菓子のこころ《詩集》
朝
誰かが
痛みを抱えたまま迎える朝があり
寒さにふるえて起きる夜がある
染め上げられ傷つけられ
いまにも崩れ落ちそうな幸福を
傷ついた指先で繋ぎ止めている誰かがいる
私が立つこの地面に
柔らかな土のなかに
コンクリートの向こうに
見るべき世界があり
知るべき心がある
朝は来る
いのちが芽吹きふるえるその度に
強引に
ときにあたたかに
新たな始まりと
終わりを告げる
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