お菓子のこころ《詩集》
いとしい
いとしい
と はじめて伝えたら
あなたはふわりと
私を包み込んで
肩に顔を埋めて
声を殺して 泣いた
だいすきだよ
あいしているよ
言葉はあまりに便利で
言葉はあまりに薄っぺらで
全部伝えたつもりで
ほんとはなんにも
伝えられていなかった みたいで
その日
その夜
私もあなたも
はらはら はらはら
声を殺して
泣いた