love letter~ヤンキーの彼氏~
こっちに来いよって言った割には、何も話そうとしない大樹。


一体、何を考えているの?


ただ、煙草だけを口にくわえて煙りを吐いているだけ。


そういう私も何も言えずに座ってるだけ。


二人の髪が、風にソッと流れて揺れる。


ドキドキ。


さりげなく胸に手をあて、確認してもやはり賑やかな私の心。


沈黙になればなるほど、何か落ち着かないし、大樹に心の音がバレてないかハラハラする。


風に揺れる前髪を軽く押さえ、このままじゃいけないと思った私は、前を向いたまま大樹に話しかけた。


「大樹…寂しそう…」



話しかけた私の言葉は、ずっと胸の中で思っていた事だった。


けど、今、まさか、こんな時に言っちゃうとは自分でも驚いた。


しかし、隣に座る大樹からはリアクションは無しで、私の問いかけは虚しく風の中に消えていく。
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