love letter～ヤンキーの彼氏～
教壇を軽くバンバンと手のひらで叩き、高木は静かにしろと何度も促す。



「今日から、このクラスに加わる事になった原田大樹君だ！」


そう高木が軽い紹介を終えると、横に立つ学ラン姿の男の子は、何も言わずに教室内を見渡し始めた。


髪はブラウン系の色で、右目の下に付けられた絆創膏が印象的な男の子。


背は、やや高め？高木と並んで立っていてもそんなに差はない。


１７５ぐらいはあるであろう背に、どこか冷めたようなそんなに大きくない目。


鼻はしゅんと整っていて、見るからに『イケメン』という称号が与えられるような男の子。


女子の半分以上が、すでに目がトロンと甘くとろけてしまいそうになっていた。



「原田君。皆に一言挨拶でも言うか？」


高木が肩をポンと軽く掴むのと同時に、転校生は一瞬にして表情を変えて、高木の手を勢いよく払いのけ



「気安く俺にさわんじゃねぇーよ！」



今までに何度か見てきた光景が、再生されたように目の前で起きていく。



あまりの突然の事に、高木は動揺するように目が魚のように泳いでしまってるし、トロンとしていた女子生徒達も……。


異様な空気が教室内に、流れていくのを感じる。
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