Thank you for...
出発直前のモヤモヤを持ったまま、飛行機は宮崎の空港に到着する。
春先だけど、既にこっちは暖かい。
首に巻いた薄手のオレンジ色のストールを外すと、私はキョロキョロと由美姉ちゃんの姿を探した。
「…空港まで迎えに来てくれる約束なんだけどなぁ」
人も疎らな空港のロビーで、少し心細くなりながら呟く。
「リョウー!!」
入り口から両手をブンブンと大きく振りながら由美姉ちゃんが駆け寄ってくる。
「ゴメン、遅くなって」
両手を目の前で合わせてウインクする姿は、少しも悪びれる様子が見られない。
もともとユッタリした人だし、仕方ないか。
「こんにちわ。友達の美里でーす」
溜め息を付く私の横で、美里は自ら自己紹介を始めた。
クルクルの巻き髪を「気合入ってんねー。時間かかんの?これ」と優しく撫でる由美姉ちゃんと、もう既に意気投合した感じ。
「とりあえず、民宿に荷物置きに行こうか」
そんな由美姉ちゃんの言葉に、私たちは『はーい』と声を揃え、ピカピカに磨かれた赤いワゴンRに乗り込んだ。
春先だけど、既にこっちは暖かい。
首に巻いた薄手のオレンジ色のストールを外すと、私はキョロキョロと由美姉ちゃんの姿を探した。
「…空港まで迎えに来てくれる約束なんだけどなぁ」
人も疎らな空港のロビーで、少し心細くなりながら呟く。
「リョウー!!」
入り口から両手をブンブンと大きく振りながら由美姉ちゃんが駆け寄ってくる。
「ゴメン、遅くなって」
両手を目の前で合わせてウインクする姿は、少しも悪びれる様子が見られない。
もともとユッタリした人だし、仕方ないか。
「こんにちわ。友達の美里でーす」
溜め息を付く私の横で、美里は自ら自己紹介を始めた。
クルクルの巻き髪を「気合入ってんねー。時間かかんの?これ」と優しく撫でる由美姉ちゃんと、もう既に意気投合した感じ。
「とりあえず、民宿に荷物置きに行こうか」
そんな由美姉ちゃんの言葉に、私たちは『はーい』と声を揃え、ピカピカに磨かれた赤いワゴンRに乗り込んだ。