Thank you for...


『かんぱーい!』

グラスがぶつかり合う音にあわせて女3人の声が響く。

ここは、由美ネェ行きつけの居酒屋。

地鶏の炭火焼きが最高に旨い、と、民宿へ向かう車の中で由美ネェが褒めちぎってた店だ。

決して広くはない店内には、木で出来たカウンターとテーブル席が3つ。
少し暗めの照明とノリのいいBGMが妙に居心地の良さを私に与えていた。

「ここ、いいお店だねー」

運ばれてきた炭火焼きを頬張りながら、由美ネェに話しかける。

すると、顔中を笑顔にして「そうでしょー」と言うと、正面に座ってる私と美里の方に乗り出してそっと耳元に顔を近づけてきた。

「店長がね、カッコいいの。彼氏だから手ぇ出しちゃダメよ」
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