Thank you for...
「じゃ、誕生日おめでとぉー!!」
4人のグラスがぶつかりあって「チン・・・」という乾いた音が響く。
どうやらヒカルの誕生日というのは嘘ではなかったようで、私たちは彼が持参した鹿児島の有名な地焼酎で乾杯をした。
「何で宮崎に来たのに鹿児島の焼酎なのよ」
美里が5合瓶の後ろに貼られたラベルを見ながら呟く。
アルコールが回っているのだろうか、いつものような歯切れのよい話し方とは違って絡むような言い方。
「だってよぉ、鹿児島の酒の方が全然旨いし!」
「普通、宮崎の焼酎を勧めんじゃないのぉ?宮崎の料理には宮崎の酒みたいなさぁ」
「俺、宮崎の酒ってあんまり知らねーもん」
「うわぁー、愛国心のかけらもないじゃん・・・」
「愛国心って、日本っちゅー国の中の酒だからいいんじゃない?」
「うるさい、クソガキ」
あぁ~あ、完全に絡み酒になってるよ。
そんな美里に対して、ヒカルは嫌な顔一つせずに付き合ってる。
由美ネェは、そんな二人のやり取りに苦笑いを浮かべながら手酌で飲んでいた。
汗をかき始めた手元のグラスは、店の明かりを吸い込んでオレンジがかった透明に染まる。
その色があまりにも綺麗だったから、私はその色に見入っていた。
「リョウ、大人しいじゃん?」
その声に我に返ると、目の前には頬を高潮させた由美ネェの顔。
私は「美里が騒がしいからそう感じんじゃない?」と目の前のグラスの中身を勢い良く喉に流し込んだ。
冷たい感覚とほぼ同時に、甘い芋焼酎独特の風味が口の中いっぱいに広がった。
想像していたより、ぜんぜん飲みやすい。
「これ、美味しい・・・美味しいよ、これ!!」
正面に座る由美ネェと、右側に無理やり入り込んでるヒカルを交互に見ながら叫んだ。
4人のグラスがぶつかりあって「チン・・・」という乾いた音が響く。
どうやらヒカルの誕生日というのは嘘ではなかったようで、私たちは彼が持参した鹿児島の有名な地焼酎で乾杯をした。
「何で宮崎に来たのに鹿児島の焼酎なのよ」
美里が5合瓶の後ろに貼られたラベルを見ながら呟く。
アルコールが回っているのだろうか、いつものような歯切れのよい話し方とは違って絡むような言い方。
「だってよぉ、鹿児島の酒の方が全然旨いし!」
「普通、宮崎の焼酎を勧めんじゃないのぉ?宮崎の料理には宮崎の酒みたいなさぁ」
「俺、宮崎の酒ってあんまり知らねーもん」
「うわぁー、愛国心のかけらもないじゃん・・・」
「愛国心って、日本っちゅー国の中の酒だからいいんじゃない?」
「うるさい、クソガキ」
あぁ~あ、完全に絡み酒になってるよ。
そんな美里に対して、ヒカルは嫌な顔一つせずに付き合ってる。
由美ネェは、そんな二人のやり取りに苦笑いを浮かべながら手酌で飲んでいた。
汗をかき始めた手元のグラスは、店の明かりを吸い込んでオレンジがかった透明に染まる。
その色があまりにも綺麗だったから、私はその色に見入っていた。
「リョウ、大人しいじゃん?」
その声に我に返ると、目の前には頬を高潮させた由美ネェの顔。
私は「美里が騒がしいからそう感じんじゃない?」と目の前のグラスの中身を勢い良く喉に流し込んだ。
冷たい感覚とほぼ同時に、甘い芋焼酎独特の風味が口の中いっぱいに広がった。
想像していたより、ぜんぜん飲みやすい。
「これ、美味しい・・・美味しいよ、これ!!」
正面に座る由美ネェと、右側に無理やり入り込んでるヒカルを交互に見ながら叫んだ。