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「何だー、全然参考にならないじゃーん」

私の答えが不服だったのだろう。

ヒカルは両頬を膨らませて怒った表情を作る。

「人を好きになる理由って・・・

 案外簡単なものだと思ったんだけどなぁ」

溜め息交じりのヒカルの声に、私は無言で彼を見つめる。

「好きになる理由が単純だから

 本当に好きかって時に分からなくなるんだよね――

 って言われたの、俺」

照れたように笑い「なんちゃって」と下を出した。


一緒にいたいと思ったから

一緒にいるんだよ

それって、「好きだから」とは違うのかな?


そう声にしようと思った時、急に視界がチカチカと光った。


「ゴメーン、よく聞こえないから代わるわ」


酔っ払いの左手が私に向かって伸ばされ、キラキラと無数のスワロフスキーが張り付く携帯が目の前にあった。

電話の相手が誰なのか分からないまま、私はキラキラを耳に当てる。


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