Thank you for...

「今のー彼氏?」「彼氏いないの?」

昨日の姿を思い出す。

……。

携帯を握り締める手に力が入る。

じわりと手のひらに汗が滲むのが自分でも分かった。

彼氏なんていらないって言ったじゃん・・・。

不安と同時に高鳴る鼓動が心を急かす。



「……いいよ」


口から出た返事に、自分で驚いた。

会って2日目にして簡単にOKするなんて。

私、どうかしてる。

半ば放心状態で電話を切ると、そのまま床にへたり込んでしまった。



今思えば、これは運命の始まりだったんだと思う。

この事がなければ、きっと違う人生を送ったんだと。
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