Thank you for...
その後の私の頑張りは、自分で言うのもなんだけど凄かったと思う。

何事もなかったかの様に、あっけらかんと振舞っていた。

イタ電の事、告白は誤解だった事も全部笑い話に変えて美里に報告した。

一人になると胸の奥から押し込んだものが出てきそうになるから、なるべく沢山の友達の輪の中にいるようにした。

教室で、学食で、時には喫煙スペースで。

笑顔の私は、いつもと変わりなく。

それでも90分の講義の間だけは一人になってしまう。

その時間だけは素に戻ってしまう。

電池の切れたオモチャのように動かない。

思考をなんとか止めようと、無意識の内に脳が、体が機能を制御してたんだと思う。

そんな私の姿を見て、周り座った友達は皆「真剣に講義聞いて偉い」と褒めた。

違うよ、苦しいんだよ。

そう叫びたいはずなのに、私は笑って「まぁ、ね」と笑う。

顔で笑って心で泣く。

それが最近の私のスタイル。





いつから私はこんな風になっちゃったんだろう。

周りとうまくやるため?

自分を良く見せるため?

自分を守るため?

言いたい事を全て飲み込んで輪の中で笑ってれば、幸せになれると思ってた。

でも実際は、そんな物はただの虚像で。

たくさんの友達に囲まれてても、ずっと一人ぼっちの気分だった。

自分でやってきた事。

もう後戻りはできない。




私は―――


一人ぼっちのままなんですか―――?



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