Thank you for...
「マジで…お前だけは許せねぇ」


怒りで震える昌斗の声。

もしかして、テレパシー受け取った?


今にも襲い掛かってきそうな男。

震える刃先は本気の表れなのか、

目も完全に据わっていた。



でも、私は全然怖くなかった。

くだらない奴だとバカにしていた。




「だいたい、何なの?他の男の子と話したらダメなの?」


「話すなとは言ってない。俺の前でイチャつくなって言ってるんだ」


「それって――

 いちいちアンタの妄想を想像しながら行動しなきゃいけないって事?

 私は数学の宿題を教えてもらってただけなんだよね」


「くっついてやることないだろ!」


「じゃぁ、何?何メートルも離れた所から聞けば気が済むの?

 アホらしくて話しになんないわ」


吐き捨てるようにそういった後、

私は大げさにため息をついた。
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