Thank you for...
「だって…彼氏がいても幸せだと思った事ないもん」
俯いたまま、心から溢れるように飛び出した言葉にハッとなる。
何言ってんの、私。
でも、一度溢れた言葉は止まる事を知らない。
止めようとしても止まらずに、次から次に溢れ出した。
「みんな、上辺ばっかり。
リョウの為にって一生懸命になって、でも私は全然嬉しくなくて。
尽くされれば尽くされるほど苦しくて…」
「……で?」
「拒絶されて傷つくのが嫌だから、ハッキリ相手にも言えなくて…。
だったら、彼氏なんていらないって思った。
でも……いてもいなくても辛いのには変わりなかった」
最後は、虫の鳴く程度の小さな声しか出てなかったと思う。
それでも、初めてさらけ出した本音に心が少しだけ軽くなった気分だった。
「…お前って、子供だな」
見上げると、さっきまで笑っていたはずの翔の顔はなかった。
少し怒ったような、呆れたような表情で。
途端に胸が締め付けられる。
ほら…やっぱり本音言って良い事なんて一つもないじゃん。
この人なら聞いてくれるかも、そう思った自分が愚かだった。
理解して、慰めてくれると思った自分を呪った。
どこまでもバカな女だ、私。
「ごめん」
そう言って目を瞑り、翔に背を向ける。
その時だった。
私の体を押しのけ、翔が手すりから身を乗り出して下で待つ俊に叫んだ。
「悪ぃ、先帰っててー。コイツは俺が送るから」
え…?
翔は、驚きを通り越して立ちすくんだ私に振り返ると
「オマエ、今から説教な」
そう言って、口の端を上げて笑った。
俯いたまま、心から溢れるように飛び出した言葉にハッとなる。
何言ってんの、私。
でも、一度溢れた言葉は止まる事を知らない。
止めようとしても止まらずに、次から次に溢れ出した。
「みんな、上辺ばっかり。
リョウの為にって一生懸命になって、でも私は全然嬉しくなくて。
尽くされれば尽くされるほど苦しくて…」
「……で?」
「拒絶されて傷つくのが嫌だから、ハッキリ相手にも言えなくて…。
だったら、彼氏なんていらないって思った。
でも……いてもいなくても辛いのには変わりなかった」
最後は、虫の鳴く程度の小さな声しか出てなかったと思う。
それでも、初めてさらけ出した本音に心が少しだけ軽くなった気分だった。
「…お前って、子供だな」
見上げると、さっきまで笑っていたはずの翔の顔はなかった。
少し怒ったような、呆れたような表情で。
途端に胸が締め付けられる。
ほら…やっぱり本音言って良い事なんて一つもないじゃん。
この人なら聞いてくれるかも、そう思った自分が愚かだった。
理解して、慰めてくれると思った自分を呪った。
どこまでもバカな女だ、私。
「ごめん」
そう言って目を瞑り、翔に背を向ける。
その時だった。
私の体を押しのけ、翔が手すりから身を乗り出して下で待つ俊に叫んだ。
「悪ぃ、先帰っててー。コイツは俺が送るから」
え…?
翔は、驚きを通り越して立ちすくんだ私に振り返ると
「オマエ、今から説教な」
そう言って、口の端を上げて笑った。