Thank you for...
「こうしたら喜んでくれるかも、絶対落としたいって普通思うじゃんね」

「……そう、かな」

「かな、じゃなくて、そう。付き合って、お互い腹割って話して、実際はこれが好きとか嬉しいとか嫌いとか知っていくわけ。黙ってても伝わらない、オーケー?」

「…はぁ」

あまり意味が分らないけど。

そんなもんなのかな、って思った。

「嫌われたくないから、とか拒絶されるのが嫌だからって気持ち言わないなら、相手だって分かんねーままじゃん?」

「……」

「それを、「私の事分かってくれない、だから辛い」みたいに言うお前はガキなんだ」



そうなんだ。

私が悪いんだ…。

かばってくれるとは思ってなかったけど、実際否定されるとやっぱり傷つく。



でもさ、黙ってても翔は分ってくれたじゃん?

それってどうなの?

やっぱり、ガキの思う事だからお見通しってだけだったの?


聞きたい。

聞けない。


無言のまま、熱いカップを握り締める。





「何で、そんなに気にかけてくれんの?」


自惚れとも取れる言葉。

でも、聞くのは今しかないと思った。

カップの中から視線を翔に向け、答えを待った。

< 39 / 114 >

この作品をシェア

pagetop