Thank you for...
本音―――

私の気持ち―――

私の本当の気持ち―――

なんでわざわざ口にしなくちゃいけないの?

彼氏なら、何も言わなくたって分るでしょ?

気付くでしょ?

何で分ってくれないの…?



本当は数学の宿題なんてどうでも良かった。

「何?分らないなら俺に聞けよ」

そう言って欲しかった。

自習中も休み時間も放課後も、いつも私じゃなく参考書ばっか見てる。

日曜日、やっと2人になれるのに、会うのはいつも昌斗の部屋で。

机の上には当たり前のように参考書があって。

そして思い出したように私を抱いて、ストレスや疲れを私の中に吐き出すと

隣で死んだように眠ってしまう。

会話なんてない。

一緒にコンビに行ったり買い物したりもない。

彼女って何?

昌斗にとって私って何?

私は必要?

そう叫びたかった。

受験で大変なのは分ってる。

でも――

寂しかった。
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