Thank you for...
「材料、これから買いに行くのかよ」
コタツの中で猫みたいに丸まった格好で翔が言う。
「うん。ちょっと行ってくるよ」
「外、暗いぞ?」
「大丈夫だって」
「…危ねーから付いてってやるよ」
「寒いよ?」
「…その代わり、マズかったら殺すからな」
何だかんだで最近優しい。
槍でも降りそうな位。
荒っぽい言葉だけど、ちゃんと優しさが伝わってくる。
翔は「ダァ!」と叫びながら気合を入れてコタツから飛び出した。
すごく寒がりの翔は、スウェットとセーターにダウンジャケット、足元は靴下2枚履きという若さの一欠けらもない格好で玄関へ向かった。
「お前はこれ被ってけ」
そう差し出されたのは、フリース地の筒状のもの。
何これ?
腹巻?
「バカか。ネックウォーマーだよ」
手渡されたそれを不思議そうな顔で見つめる私に、呆れた顔で翔が言う。
何、ネック…?
初めて聞いた単語に頭を捻っていると、翔がそれを奪い取って勢いよく私の頭にかぶせた。
「これは、マフラーの変わりなの。バイク乗るときとかスノボする時に便利なの」
溜め息交じりに説明する翔。
あぁ…そうなんだ。
だって、バイクも乗らないしスノボもしないから知らなかったんだもん。
ありがとう、そう言いながら私は唇を拗ねたように尖らせた。
ピン…ポーン
遠慮がちに響くチャイム。
玄関にいた私たちは、ハーイと声をそろえてドアを開ける。
開けた扉の向こうに立っていたのは運送屋の兄ちゃんだった。
「お届け物でーす」
誰から?
私たちは同時に差し出された細長いダンボールの伝票を覗き込んだ。
コタツの中で猫みたいに丸まった格好で翔が言う。
「うん。ちょっと行ってくるよ」
「外、暗いぞ?」
「大丈夫だって」
「…危ねーから付いてってやるよ」
「寒いよ?」
「…その代わり、マズかったら殺すからな」
何だかんだで最近優しい。
槍でも降りそうな位。
荒っぽい言葉だけど、ちゃんと優しさが伝わってくる。
翔は「ダァ!」と叫びながら気合を入れてコタツから飛び出した。
すごく寒がりの翔は、スウェットとセーターにダウンジャケット、足元は靴下2枚履きという若さの一欠けらもない格好で玄関へ向かった。
「お前はこれ被ってけ」
そう差し出されたのは、フリース地の筒状のもの。
何これ?
腹巻?
「バカか。ネックウォーマーだよ」
手渡されたそれを不思議そうな顔で見つめる私に、呆れた顔で翔が言う。
何、ネック…?
初めて聞いた単語に頭を捻っていると、翔がそれを奪い取って勢いよく私の頭にかぶせた。
「これは、マフラーの変わりなの。バイク乗るときとかスノボする時に便利なの」
溜め息交じりに説明する翔。
あぁ…そうなんだ。
だって、バイクも乗らないしスノボもしないから知らなかったんだもん。
ありがとう、そう言いながら私は唇を拗ねたように尖らせた。
ピン…ポーン
遠慮がちに響くチャイム。
玄関にいた私たちは、ハーイと声をそろえてドアを開ける。
開けた扉の向こうに立っていたのは運送屋の兄ちゃんだった。
「お届け物でーす」
誰から?
私たちは同時に差し出された細長いダンボールの伝票を覗き込んだ。