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新入生歓迎コンパと銘打った飲み会は、すごく盛り上がっていた。

貸し切られた居酒屋のあちらこちらで「一気!」コールがこだまする。

私は18歳なのに、雰囲気に呑まれるままアルコールを次々に口に運んでいた。

騒ぐ集団とは距離を置き、美里と同じテーブルで彼女の話をイスに体を預け静かに聞く。

目立たず出しゃばらず…。

この場は美里を立てておこう、そう考えていた。


「リョウちゃん、だっけ?」


不意に話しかけられ、驚いて声の方を向くと、そこには漫画やドラマに出てきてもおかしくない程の男前が私を見てニッコリ笑っていた。

誰だっけ…?

私は遠慮がちに「はい」と短く答えながら必死に酔った頭を冷静にしようと焦る。


「俺、友春(ともはる)。で、こっちが翔(かける)」


呼び捨てでいいからね、そう言うと隣に座った翔と呼んだ人の肩を抱き寄せた。

私は「どーも」と笑いかけビールのジョッキを持ち上げる。

始めましてー!

乾杯ー!

3つのジョッキのぶつかる音と笑い声。


「リョウちゃんは現役でここ入ったの?」


身を乗り出す男前。


「うん、推薦で」


「いいねー。俺たち浪人したから羨ましっ」


「じゃ、年上なんだ?」


「そう、俺は22。翔は23」


「23って、そんなに浪人長かったの!?」


年の差に驚いて、思わずジョッキを倒しかけた私に翔はおどけて言った。


「俺ぇ、ワケアリなのー」





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