Thank you for...
銀色にキラキラと輝く華奢なチェーンに、ころんとしたビーンズ型のトップ。

前に美里と雑誌で見てカワイイとはしゃいでいた物だった。

TIFFANYの定番のペンダント。

それが今、自分の目の前にある。

何で!?

翔は知ってて買ったの?

それとも…偶然?

嬉しさよりも動揺で頭がグルグル回る。

ワケワカンナイ。

でも…嬉しい…。




『それ、ビンゴだろ?』



浴室の扉を少し開けて顔を出した翔は、満面の笑みで私に声をかけた。

白い湯気に乗せて届いた翔の言葉。

私は思わず立ち上がって「ありがとう」と深々と頭を下げる。

「それ、欲しかったんだろ?」

翔は、傍にあったバスタオルを腰に巻き、頭を下げたままの私の元へと近付いてきた。

「何で分ったの?」

「俺は何でも分かるっつーの」

「でも、そんな話した事一度もなかったじゃん」

「アホだな、相変わらず」

「……」

顔を上げると、呆れた表情の翔の顔がそこにあった。

「美里との会話、思い出してみ?」

…美里との会話?

混乱する頭の中で、必死にネックレスに関する美里とのやり取りを思い出してみる。

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