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第5章 うらおもて
表(おもて)
・・・ピンポーン
冷たい大理石に囲まれたエントランス。
壁に備え付けられた、数字が並んだオートロックのパネル。
『402』と赤く光る数字を見つめ応答を待っていると「リョウー?」と弾んだ美里の声がスピーカーから流れてきた。
「開けてー」
私の言葉とほぼ同時に大きな自動ドアが静かに開いた。
「開いたー?入ってきてー」
相変わらず豪華な美里のマンション。
私はお気に入りのボストンバックを持って美里の部屋へと足早に向かう。
やっぱり…慣れないわ、このマンション。
ホント、高級感タップリで場違いな感じ。
部屋の前に着いた時には、旅行から帰って来たのと同じくらいヘトヘトになっていた。
もちろん気分的に、だけど。
これから美里と二人で宮崎まで旅行へ出発する。
滞在時間が多く取れるように、私たちは飛行機での移動を選択した。
あっちではイトコの由美姉ちゃんが、民宿を手配してくれているから気軽といえば気軽な旅かな。
「入るよー」
重い玄関の扉を開け、中にいる美里に声をかける。
「どーぞー」
声のするリビングへ足を踏み入れると、まだ美里は用意の途中。
大音量の音楽の中、長い髪を丁寧に巻きながら鏡越しに私に笑顔を向けていた。
「まだ用意できてないのー?飛行機、乗り遅れちゃうよ?」
「え、そんな時間!?」
驚いた様子で携帯を開く美里を、私は「はぁ…」と肩を落としながら呆れるように笑った。
冷たい大理石に囲まれたエントランス。
壁に備え付けられた、数字が並んだオートロックのパネル。
『402』と赤く光る数字を見つめ応答を待っていると「リョウー?」と弾んだ美里の声がスピーカーから流れてきた。
「開けてー」
私の言葉とほぼ同時に大きな自動ドアが静かに開いた。
「開いたー?入ってきてー」
相変わらず豪華な美里のマンション。
私はお気に入りのボストンバックを持って美里の部屋へと足早に向かう。
やっぱり…慣れないわ、このマンション。
ホント、高級感タップリで場違いな感じ。
部屋の前に着いた時には、旅行から帰って来たのと同じくらいヘトヘトになっていた。
もちろん気分的に、だけど。
これから美里と二人で宮崎まで旅行へ出発する。
滞在時間が多く取れるように、私たちは飛行機での移動を選択した。
あっちではイトコの由美姉ちゃんが、民宿を手配してくれているから気軽といえば気軽な旅かな。
「入るよー」
重い玄関の扉を開け、中にいる美里に声をかける。
「どーぞー」
声のするリビングへ足を踏み入れると、まだ美里は用意の途中。
大音量の音楽の中、長い髪を丁寧に巻きながら鏡越しに私に笑顔を向けていた。
「まだ用意できてないのー?飛行機、乗り遅れちゃうよ?」
「え、そんな時間!?」
驚いた様子で携帯を開く美里を、私は「はぁ…」と肩を落としながら呆れるように笑った。