デスク・フレンド
人間関係も、これくらい分かりやすかったら良いのに。
それなら、私は頑張れる。
何回でも練習する。
自分の気持ちでさえ良く分からないのだから、他人の気持ちなんて分かるわけがない。
そんな考えに行き着いて、ふとピアノを弾いていた手が止まる。
次は何を弾こうかとしばらく迷ったが、やがて小さくため息をついて立ち上がった。
いつの間にか、廊下から楽器の音が聞こえるようになっている。
今の時間は10時過ぎ。
吹奏楽部は毎日練習があるらしく、未来がピアノを弾きに来る日には必ず来て練習していた。
正直ちょっとうるさい。でも、その熱心さに文句を言えるような立場ではないと自分で思う。