この恋が人生のすべてになった
僕は、適当につき合える女の子が好き。
本気にならなくて、遊びで気楽な付き合いが好きで、本気で告白してくる女の子はこっぴどく振っていました。
でも彼女は違うと思ったのです。
適当にあしらおうとしてもそう出来ない。
彼女は特別だった。
僕は予備校のパンフレットを貰い、家へ帰った。
誰もいない暗い家。
優がいないだけで、いつもと違う家に見える。
すると家のチャイムが鳴り響いた。
「はい。…何?」
そこに立っていたのは彼女でした。
こんなに真っ暗な中やって来たのだろうか。
そう思っていた時でした。
彼女が僕に渡したのはまた、財布。
「帰りに落としてったみたい。ないと困るでしょ?」
「…あがれば?」
外は少し冷えていて、寒そうな彼女を家へ招き入れました。
「一人?」
「あぁ今日はな。いつもは弟がいる。」
僕は彼女に温かいココアを渡した。
彼女は優しくありがとうと呟いた。
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